
非凡な才能、あとは運まかせ|バスルーム録音から電子音まで。多才な音楽家Fugu(フギュ)
フランス出身のメディ・ジラードが操るFugu(フギュ)は、世界中のポップ・ジャンキーから熱烈な支持を受ける「知る人ぞ知る」孤高のプロジェクトだ。その音楽の核心にあるのは、60年代のビートルズやゾンビーズ、ビーチ・ボーイズが築き上げた黄金のメロディラインを、現代の感性で再構築する圧倒的なソングライティング能力である。
デビュー作『Fugu, Vol. 1』や、傑作として名高い2作目『As Found』を聴けば、彼がいかに緻密に音を編み上げているかが理解できる。甘く切ないメロディ、完璧なコーラスワーク、そして時折見せる奇妙で実験的なアレンジ。それらが絶妙なバランスで共存している。
例えば、ピアノの旋律が胸を打つミディアムバラード「Parking Lots」や、ラズベリーズを彷彿とさせるキャッチーなサビを持つ「People」。あるいは、バスルームで録音されたという「Jennifer - Bathroom song」に見られるような、宅録アーティスト特有の親密な空気感。これらは、流行に左右されることのない「普遍的な美しさ」を湛えている。
近年、過去作の再発や新バージョンのリリースにより、その評価は再び高まりつつある。エレクトロニックなアプローチに傾倒した「Xonoahoe cepaue」のような楽曲においても、その根底に流れる「非凡なメロディ」の軸は決してぶれることがない。
Fuguの音楽は、派手な宣伝や運任せのトレンドとは無縁の場所にある。しかし、ひとたびその音に触れれば、彼が現代ポップス界においていかに稀有な才能の持ち主であるかを確信するはずだ。時代を問わず、良質なメロディを求めるすべてのリスナーにとって、Fuguは一生ものの発見となるに違いない。
▼ストリーミング記録
★☆☆
Straight from the Heart 2005 - 2020 version
イントロから歌が始まって、テンポが少し早くなる奇妙なアレンジ。でもありだな。メロディは美しい。
02.
★☆☆
Parking Lots 2005
ピアノで始まるメロディアスなミディアムバラード。
03.
★☆☆
People 2005
キャッチーなサビの部分がどのポジションもいい。ブレイクのところもラズベリーズを思い出した。
04.
★☆☆
Love IS Wath Was Need 2010
ギターのリフがエディのイメージ。スクラッチやリーディングなんかも取り入れてる。
05.
★☆☆
Jennifer - Bathroom song 2010
バスルームソングということはおそらくお風呂でヴォーカル録りをしたんだろうな。アコギのストロークにパーカッション、そしてコーラスが気持ちいいナンバー。
06.
★☆☆
Xonoahoe cepaue 2019
一転バンドサウンドはエレクトロニックに。目いっぱいのミックスで聴き疲れしそうだが、フレーズはそれぞれセンスを感じる。