
独創的なリズムと重層的な美学。ザ・ナショナルが体現するニューヨーク・ロックの進化|大河のようにゆっくりと、そして力強く感動が押し寄せる
オハイオ州シンシナティで結成され、現在はニューヨークを拠点に活動する5人組ロックバンド、ザ・ナショナル。
メンバー構成は極めて特異であり、マット・バーニンジャー(Vo)を筆頭に、アーロン&ブライスのデスナー兄弟、スコット&ブライアンのデヴェンドーフ兄弟という2組の兄弟を擁する。この血縁関係がもたらす鉄壁の結束力と、緻密に編み込まれたアンサンブルが、彼らの音楽を唯一無二の深みへと導いている。
彼らの音楽性は、静謐な情熱と緻密なレイヤー構造に裏打ちされている。特にブライアン・デヴェンドーフによる独創的なドラミングは、楽曲に複雑な脈動を与え、聴き手を陶酔させる。また、ギタリストのブライス・デスナーは、クラシック音楽の作曲家や映画音楽家としても国際的な評価を確立しており、その高い音楽的素養がバンドの芸術性をさらなる高みへと押し上げている。
栄光の軌跡と音楽界への貢献
ザ・ナショナルは、長年の活動を通じて世界中の批評家とリスナーから圧倒的な支持を獲得してきた。その功績は主要な音楽賞においても証明されている。
グラミー賞受賞: 2017年発表のアルバム『Sleep Well Beast』で、第60回グラミー賞「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞」を受賞。
世界的チャート席巻: 英国アルバム・チャート1位、米国ビルボード・チャート上位の常連であり、現代ロック・シーンの最前線を走り続けている。
多角的な芸術性: 映画『シラノ』のサウンドトラック制作や、他アーティストとのジャンルを超えたコラボレーションを通じ、ロックという枠組みを拡張し続けている。
唯一無二のサウンドスケープ
彼らの楽曲は、大河の流れを彷彿とさせる壮大なスケール感と、内省的な繊細さが共存している。初期の瑞々しいドライブ感から、近年のポスト・クラシカルな要素を取り入れた重層的なアレンジに至るまで、その進化に淀みはない。
マット・バーニンジャーのバリトン・ボイスが綴る物語は、喪失、希望、そして人間心理の機微を鮮烈に描き出し、聴き手の魂を激しく揺さぶる。
結成から四半世紀を過ぎてもなお、彼らは自己模倣に陥ることなく、常に革新的なサウンドを提示し続けている。ザ・ナショナルという存在は、もはや一つのジャンルと言っても過言ではない。その音楽は、時代を超えて語り継がれるべきである。
▼ストリーミング記録
2026.01..現在/as of 2026.01
01.
★☆☆
Available 2003 - 2021 Remaster
ギターの響きとヴォーカルのイメージはデュランデュランを思わせる。ドライブ感が全体を貫く。中盤んで一息入れて↗へ。カッコいい
02.
★☆☆
Lucky You 2003 - 2021 Remaster
アコギのストロークは自然な響き具合。メロディはゆったりとした流れに癒しと許しと願いを含んでいる。いい気分になる。
03.
★☆☆
Abel 2005
パワフルなビートが曲を貫くアップナンバー、サビのフック連発もインパクト大。
04.
★☆☆
Mistaken for Strangers 2007
表現豊かなドラムが曲を引っ張る。一貫して熱い演奏。
05.
★☆☆
Squalor Victoria 2007
イントロからドラムが表情豊か、そしてストリングスが絡んで始まる。ピアノが入ってヴォーカルへとつなぐ。リズムだけで体が動き、フックの連発はここでも効果大。
06.
★☆☆
Afraid of Everyone 2010
静かな始まりは物語の始まりというイメージ。ストリングスが情感を持ち上げる。ビートとギターが徐々に色を付ける。四つ打ちのリズムがぐいぐいとやってくる。
07.
★☆☆
Bloodbuzz Ohio 2010
難解なドラムのリズムで始まる、ヴォーカルが入ってそれはデヴィッドボウイのような音世界が展開される。じわじわとくるグルーヴは彼らの魅力の一つ。
08.
★☆☆
I Should Live in Salt 2013
アコギとシンセパッドで始まる。タンバリンが鳴っている、フィルインからドラムが入るが普通にはやらない。際立つドラムのいい意味での裏切りが刺激的。
09.
★☆☆
Afraid of Anyone 2016 from Transpecos Original Motion Picture Soundtrack
獣のようなギターが印象的、2コーラスからビートが乗ってヒートアップしていく。全編を覆い被せるようなクワイヤもスケール感を感じる。High Violetに収録
10.
★☆☆
Dark Side of the Gym 2017
エレピの緩やかに広がる響きで展開するミディアム・ナンバー。特に中盤から以降癒しの展開が◎
11.
★☆☆
I Am Eazy To Find 2019
ケイト・ステープルズと一緒に歌い始めるバラード。優しくてどこか物悲しさがある、待ち続ける歌詞だから。
12.
★☆☆
Somebody Desperate - From"Cyrano"Soundtrack 2021
流れるようなピアノに哀愁感たっぷりのヴォーカル。ストリングスが感情を揺さぶってくる。
13.
★☆☆
Space Invader 2023
けだるい感じのヴォーカルで展開していくシンプルな曲かと思いきや、4:00あたりから徐々に↗↗へと誘導するせり上がり、リズムも弾けだす。広がっていたものが一転に集中するイメージで激しくパワーを魅せる。いいねわれらが誇る日本のバンドMONOの極意だな
14.
★☆☆
Smoke Detector 2023
ギターリフとドラミングで軽快なドライブ感を出しているその上、ヴォーカルがクールにそして自由に展開する。後半はヒートアップ、情熱的なヴォーカルに負けずとギターも歌っている