Lou Reed

アメリカの国旗
神が降りるソングライター|ニューヨークの吟遊詩人

ルー・リードは、1960年代にロックバンド、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)の主要メンバーとして音楽シーンに登場し、その後、半世紀にわたり独自の道を歩み続けた孤高のロック・アーティストである。彼は、単なるミュージシャンではなく、詩人、ストーリーテラー、そして文化的な異端児であった。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代

ルー・リードのキャリアは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドでの活動に端を発する。彼は、ニューヨークの退廃的な都市生活、ドラッグ、性、そしてアウトサイダーの現実を、文学的かつ詩的な歌詞で赤裸々に描写した。

このバンドは、商業的な成功こそ収めなかったものの、デヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、R.E.M.、ニルヴァーナなど、後のパンクやニュー・ウェイヴ、オルタナティヴ・ロックに計り知れない影響を与えた。「商業的にはたった3万枚しか売れなかったが、それを買った人は皆バンドを結成した」というブライアン・イーノの言葉は、その影響力の大きさを象徴している。

ソロとしての成功と進化

1970年代に入りソロ活動を開始すると、デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンのプロデュースによるアルバム『トランスフォーマー(Transformer)』で一躍脚光を浴びた。特に「Perfect Day」や、有名なベースラインが特徴的な「Walk On the Wild Side」は、彼の代表曲として世界的な名声を得た。

彼の音楽は、時代と共に多様に変化した。初期のストレートなロックンロールから、コンセプト・アルバム『ベルリン(Berlin)』で見せた壮大で悲劇的な世界観、ファンクやジャズの要素を取り入れた実験的なサウンド、そして、キャリア後期に見られる、親友の死をテーマにした内省的な作品『マジック・アンド・ロス(Magic and Loss)』など、常に新しい表現を追求した。

独自の世界観と「神が降りる」才能

ルー・リードの最大の魅力は、そのソングライティングにおける才能と、飾り気のないスピーキング・ヴォーカルにある。提示されたレビューでも「神がかり的」「降りてくる」と評されるように、彼は「Walk On the Wild Side」のベースリフや、「Perfect Day」の循環コードを用いた感動的なメロディといった、時代の規範を打ち破るアイデアをいくつも生み出してきた。

彼の作品は、都会の孤独や愛、そして日常の暗部を切り取りながらも、聴く者に深い共感と感動を与える力を持っている。彼は、その生涯を通じて「ロックの桂冠詩人」あるいは「ニューヨークの吟遊詩人」として、不変のグルーヴと独特の美学を貫き通した伝説的なアーティストである。


▼ストリーミング記録


▼ルー・リードが好きな100曲<2004年時点のもの>



2025.12.現在/as of 2025.12.

01.

★★☆
Perfect Day 1972
神がかり的なソングライティング、展開は循環コードだが、タイトルワードのインパクトが大きい。シンプルな中に感動を呼ぶメロディの創作は相当難産なんだ。ひねくれる間もなく曲のパワーにルーもシンプルに歌っている。ボウイとミック・ロンソンがプロデュース

02.

★☆☆
Walk On the Wild Side 1972
このベースラインの思い付きが想像はするがビッグバンだったのだろう。影響力のある作品は、どこか必ず神がかったものがある。俗にいう「降りてくる」というやつ。ボウイとミック・ロンソンがプロデュース

03.

★☆☆
Satellite of Love 1972
如実にアクモンへの影響を感じるメロディラインと節回し、サビのクールなラインと優しいピアノ、裏切るようなリコーダーも◎ボウイとミック・ロンソンがプロデュース


04.

★☆☆
Caroline Says ll 1973
アコギのアルペジオにリバービーなヴォーカルのバラード、娼婦キャロラインを軸としたストーリーを持つコンセプト・アルバム「ベルリン」から

05.

★☆☆
Sad Song 1973
メルヘンチックなイントロからスケール感のある展開で曲が進む。6:55のロングバラード、ギターはブライアンメイかと思わせる。





06.

★☆☆
Follow the Leader 1976
弾ける感情の熱を帯びたヴォーカルがジャズファンクの激しいバックトラックに展開する。

07.

★☆☆
Temporary Thing 1976
シンコぺの強いアクセントのキメで曲が始まる、期待が膨らむ。このキメでセッションして創り上げたのかもしれない。イメージが広がるループだ。


08.

★★☆
Leave Me Alone 1978
ギターのヘヴィなリフにサックスのロングトーン、ジョンリーフッカーほどダークじゃなく、ZZTOPほどホットでもない。が、最高のグルーヴが生まれている。言わせてもらえば、Pファンクにヴォーカルがボブディラン、ギターにジョン・リー・フッカー、サックスにメイシオ・パーカーと見た。


09.

★☆☆
I Want to Boogie with You 1979
バックにブラスを取り入れたゴージャスでソウルフルなバラード、サウンドはジョンのロックンロールの色がある。

10.

★☆☆
Looking for Love 1979
軽快なシャッフル・ブギ、キャッチーだが個性的なヴォーカルラインとホンキートンク調のピアノが◎


11.

★☆☆
Families 1979
2コードのループで展開するミディアムナンバー、弾んだスネアポジションが緩やかなグルーヴをつくっている。


12.

★☆☆
Growing Up In Public 1980
個性的なベースの音はコントラバスのようだ、自由なルーのヴォーカルがしっかりと歌詞を聴かせてくる。相棒フォンファラとの共同プロデュースで、この曲が含まれるアルバム全曲の作曲がリード&フォンファラ名義。




13.

★☆☆
My House 1982
ジャコスタイルのベースの存在感、アコギとヴォーカルは自然な形のバラード、昇りつめていくメロディラインが◎どことなくボウイが頭に浮かんだ


14.

★☆☆
Don't Talk to Me About Work 1983
短く切って弾ませたベースが個性的な、ミディアム・ハイなナンバー、サビのヴォーカルがホットでキャッチーだ。


15.

★☆☆
My Red Joystick 1984
機関車のように走るリズムに、ギターとルーのヴォーカルが自由にアタックするといったニュアンス。タイトルワードのフックはタイトで印象的だ、リズムは止まらない、線路は続くよどこまでも

16.

★☆☆
My Friend George 1984
タイトなリズムにギターの控えめなストローク、ジョージって誰のことだろう? プロデューサーはロックを作り上げた一人「ジョン ジャンセン」ヴォーカルのメリハリなどはマークノップラーとダブる、特にこの曲。




17.

★☆☆
Outside 1986
循環コードのリフの繰り返しにヴォーカルがセクシーに絡んでいく、ちょっとしたタメや語尾の微妙な動き、などのセンス、ヴォーカルの妙味が曲を退屈させない、プロデュースはルーと長年の仲間「フェルナンド・サンダース」



18.

★☆☆
Video Violence 1986
ヴォーカルラインの感じ、リズムはこの作品の前年にブレイクしたダイアー・ストレイツのあの曲だが、ルーのセンスは憎いほど巧妙だ。いくつもの曲のパーツが組み合わさっている。後半は伝家の宝刀のループアップ。

19.

★☆☆
Spit It Out 1986
どことなくバッキングギターがエディ、ベースがマーカス、ヴォーカルもリズムに合わせるようにシンプルだ。軽快ですっ飛んでいくナンバー

20.

★☆☆
The Original Wrapper 1986
ギターカットはナイル。ロジャース風、タイトなファンクビートにラップともいえるルー・スタイル。脇見なしに最後までキープオンファンク。






21.

★☆☆
Busload of Faith 1989
悪くないが不自然と言えば不自然なアコギとソリッドのコンビネーションのイントロ、ねばりつくようなヴォーカルが繰り返しの単調さをクールだと思わせる。


22.

★☆☆
Sword of Damocles (Externally) 1992
親友の死に触発されての死をテーマにしたアルバム「Magic and Loss」から、重厚なストリングスアンサンブルのイントロから、テンポインでミディアムのスケール感のある曲が始まる。全編ストリングスとアコギの刻みが主要音

23.

★★☆
Harry's Circumcision (Reverie Gone As tray) 1992
自然な美しさのギターの音色のイントロは美しい、ルーのリーディングはこの上ないタイミング。ない荷を言っているのか?やはり歌詞を読まなければならない ⊳歌詞


24.

★☆☆
Trade In 1996
半音進行の美しく典型的なマイウェイ進行で、ベースはジャコスタイル。単にきれいなバラードにならないのがルーのへそ曲がりの美学。アウトロへ向けての展開は読めなかった。ニヤッとしてるだろルー


25.

★☆☆
Future Farmers of America 2000
ルーが惚れ込んだプロデューサー「ハル・ウィルナー」の仕事、エルトンジョンがプレイするロックンロールのような展開。



26.

★☆☆
Turning Time Around 2000
アルバムでも↑のアップチューンのあとに続く、たまらなくやさしい癒しのバラード。ルーのスピーキング・ヴォーカルがその魅力を知らしめる一曲。


27.

★☆☆
Call on Me (feat.Laurie Anderson) 2003
音空間がグッとよくなった晩年のルーの作品、ピアノにアコギのストロークも優しく、ストリングスに愛妻のリーディングも美しい、サビではミックのように歌っている。

28.

★★★
Vanishing Act 2003
全身を耳にして聴きたい作品、私はこの曲で完全にトリップした。ハル・ウィルナーのプロデュース。この曲がある限りルーにいつも会える気がする。リアルな声、スピーカーのすぐ後ろにいるようだ。⊳歌詞

29.

★☆☆
Who Am I? (Tripitena's Song) 2003
気持ちい12弦のストロークに、タンバリンショット、ルーのメッセージだ、ヴォーカルは素晴らしく情熱的で、アレンジも壮大。⊳歌詞


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