
ジャンルを飲み込み進化する日本のフューチャー・ロック
THE ALEXX(ザ・アレックス)は、その卓越した音楽性と変幻自在なサウンドプロダクションで、日本の音楽シーンにおいて異彩を放つ3ピースバンドである。
彼らの音楽性は、単なるロックバンドの枠に収まらず、ハウス、テクノ、ニューウェイヴ、インディーダンス、電子音楽など、過去から現代に至る豊潤なユースカルチャー・ミュージックの影響を「混乱したままダイレクトに」表現しているのが特徴だ。
デビューアルバム『VANTABLACK』(2019年)では、エンジニアにzAkを起用し、ダークさとポップさ、ダンスミュージックとロックのダイナミズムを融合させたサウンドを提示。
初期のダンス要素:「Jeanie」「Beatwave」といったハウス寄りの四つ打ちナンバー(bpm121-123)から、「VANTABLACK」(bpm153)のような疾走感あるロック/ダンスナンバーまで、ビートの熱量を上げていく構成となっている
影響と昇華:ピーター・ガブリエルのニュアンスをしっかりとモノにした「Alan Smithee's Monolog」や、ELOの「Don't Bring Me Down」のムードに浮遊感あるヴォーカルを重ねた「When You Lost Trip」など、高い音楽的センスで先達へのオマージュを現代的に昇華している。
進化するサウンド:2021年以降の楽曲では、サビのビートアレンジとフックが秀逸な「COLD LOVE」、あえて日本語詞でカノン進行の爽やかさを展開する「Bug」など、曲ごとに異なる表情を見せる。特に「Something Great」では、ファンキーなパーカッシブギターとループされるベースラインがクルアンビンを彷彿とさせるグルーヴィンな楽曲となっており、彼らの音楽性が絶えず進化し続けていることを証明している。
その音楽的ミクスチャーの完成度は、世界的なバーチャルバンドであるゴリラズにも匹敵するレベルだと言えるだろう。THE ALEXXは日本が誇るフューチャー・ロックバンドである。
▼ストリーミング記録
01.
★☆☆
Jeanie 2019
ハウスのシンセバッキングにヴォーカルラインを合わせたbpm121-122のグルーヴナンバー。ボトムラインの力強さも心地いいアルバム1曲目
02.
★☆☆
Beatwave 2019
↑のJeanie
から引き続くような四つ打ちはbpm122-123とい僅かではあるがヒートアップしたアルバム2曲目。ビートを踏むサビのフックがキャッチーで思わず一緒に歌いたくなる
03.
★☆☆
SOUNDS OF RADIO FREQUENCY 2019
ギターのロックなリフに弾んだ感じのビートが重なる。bpmは135とさらにアップして、ヴォーカルのフックも印象的なアルバム3曲目
04.
★☆☆
VANTABLACK 2019
疾走感のあるベースのイントロ、に抑えた感じのフックが繰り返される。後半からドラムがヒートアップ、アウトロに向けて↗ホットだ、bpm153とさらにアップしたアルバム4曲目
05.
★☆☆
Tablaman 2019
ブリブリと存在感を出すベースに疾走感あるビート、マドンナの「Ray of Light」のムードを感じるナンバー。
06.
★☆☆
Alan Smithee's Monolog 2019
しっかりとピーター・ガブリエルの痺れるニュアンスをモノにしている。センス無ければ万が一にもこの感じは出ない。
07.
★☆☆
COLD LOVE 2021
サビのビートアレンジにタイトルワードのフックが素晴らしい、途中無音のパートも◎
08.
★☆☆
Bug 2021
あえて日本語の歌詞で展開する、カノン進行の爽やかなムードが、次々と斬新な曲が並ぶ中にあっていい色合いを出している。間違いなくライブじゃじわーっと感じ入ることだろう。
09.
★☆☆
When You Lost Trip 2021
ELOのグイグイと来るナンバー「Don't Bring Me Down」のニュアンスに、浮遊感のあるヴォーカルライン。bpm116のEDMグルーヴがオーディエンスをグイグイと煽るのが目に浮かぶ。
10.
★☆☆
The Buzzer 2021
テクノのカッコよさ、サンプリングのセンス。後半からの鳴り物とシンセパッドはお見事!
11.
★☆☆
Outsider 2021
どっしりとした四つ打ちのビートは絶妙の110bpmと111bpmで揺れている。ナチュラルなtontonのヴォーカルも素敵だ。
12.
★★☆
Something Great 2021
リアマイクのブライトなイントロのギターから、曲が展開して聴こえる落ち着いたトーンのギターと見事なコントラスト。フック連発のヴォーカル2分半あたりから。ここもビートは超グルーヴィンでbpmは109と110で揺れている。ファンキーなパーカッシブギターとループされるベースラインも実にカッコよく、クルアンビンを彷彿とさせる9:45。