
表現力のギターに存在感のヴォーカル|ライブハウスからスタジアムへ。Wunderhorse、聴く者を熱狂の渦に巻き込む「ビッグな予感」
イギリスのロックシーンにおいて、今もっとも「ビッグな予感」を感じさせるバンド、それがWunderhorseである。元Dead Prettiesのジェイコブ・スレーターを中心に結成されたこのグループは、90年代オルタナティヴ・ロックの荒々しさと、時代を超越した叙情的なメロディを併せ持つ希有な存在だ。
彼らの音楽の核となるのは、聴き手の魂を震わせるジェイコブの圧倒的なヴォーカルである。ナチュラルでありながら強烈な存在感を放つその歌声は、繊細な独白から爆発的な叫びまで、感情の振幅を自在に描き出す。それを支えるのは、エッジの効いたギターワークと、厚みのあるリズム隊が生み出す強固なアンサンブルだ。
「17」に代表される初期の瑞々しい衝動から、「Arizona」や「Cathedrals」で見せる重厚なウォール・オブ・サウンド、そして「Girl」のようなキャッチーなパワーポップまで、その音楽性は多岐にわたる。
特筆すべきは、ギターのボリューム操作一つで静寂と轟音をコントロールする表現力の高さである。シンプルながらも計算されたコード展開は、ライブにおいてオーディエンスを飲み込む壮大なロック・オーケストレーションへと昇華される。
オアシスを彷彿とさせるスタジアム・ロックのスケール感と、インディー・ロックの純粋なエモーション。Wunderhorseは、懐古主義に陥ることなく、現代において「ロック・バンドであること」の意義を証明し続けている。彼らが鳴らす音は、一過性のトレンドではない。永年語り継がれるべき、本物のロック・スピリットの結晶なのだ。
▼ストリーミング記録
2025.12.現在/as of 2025.12.
01.
★☆☆
17 2022
エッジの効いた、マックスなギターに素朴で分厚くヘビーなリズム隊、ナチュラルで存在感のあるヴォーカル。荒々しさと繊細さが見事に溶け合う。彼らの色がよくわかるミディアムだ
02.
★☆☆
Poppy 2022
ドリーミーな幕開け。ギターの音のツブが魅力的だ。メリハリの効いた展開のミディアム。徐々にサイケに↗へ、テンポチェンジもシンセの効果も◎
03.
★☆☆
Epilogue 2022
ギターの音色、操作のシンプルだが繊細さが私にはしっかりと聴いて取れる。しっかりと表現されている。牧歌的でもあるミディアムだと思ったっら後半に爆発、カッコいいキメも◎
04.
★☆☆
Rain 2024
ドライブ感のあるビート、疾走するヴォーカル。ギターリフも実にエモーショナルだ
05.
★☆☆
Arizona 2024
ギター側でヴォリュームを絞ったギターストロークにドンシャリなドラムが見事。ギターソロのあたりなどどこかオアシスをイメージした。オアシスウォールサウンドとも言っておこう
06.
★☆☆
Superman
じわじわと昇りつめるような後半を想像させるかのような始まりの2コードバラード。ロック・オーケストレーションを構築するには極シンプルな展開で広げていく手法が私も好きだ。想像通りライブではオーディエンスを大きく包み込むだろう
07.
★☆☆
Cathedrals 2024
サビ後のコードチェンジのカッコよさが炸裂するメガトンミディアム
08.
★☆☆
Girl 2024
ギター側でヴォリュームを絞ったギターストローク、軽快なリズムに乗せてキャッチーでポップなメロディラインがツワモノが時折見せる優しさになっている。これはカウンター・テクンジックな存在のパワーポップだな。