Bob Geldof

アイルランド国旗
ボブ・ゲルドフ:ダブリン発の鬼才。歴史的メガイベントの背景とアイリッシュポップのルーツが息づく至高のソロキャリア

Bob Geldof(ボブ・ゲルドフ)は、アイルランド・ダブリン出身のシンガーソングライターであり、社会活動家としても世界的な知名度を持つ比類なき音楽家である。伝説的なニュー・ウェイヴ・バンド「ブームタウン・ラッツ」のフロントマンとして音楽シーンの最前線へと頭角を現した。

彼のキャリアを語る上で不可欠なのが、音楽の持つ力を証明した歴史的な人道支援プロジェクトへの貢献である。1984年、アフリカの飢餓救済のためにチャリティ・プロジェクト「バンド・エイド」を発起し、共同で書き下ろした歴史的名曲「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」は世界的な大ヒットを記録した。

さらに翌1985年には、20世紀最大規模のチャリティ・コンサート「ライブ・エイド」を主導し、音楽史のみならず世界史にその名を深く刻み込んだ。これらの偉大な功績により、英国王室から名誉ナイト爵位(KBE)を授与されたほか、ノーベル平和賞候補へのノミネートなど、数々の人道的な栄誉と世界的な賞賛を保持している。

バンド解散以降に本格化させたソロ活動において、彼のソングライティングの真髄は、アイリッシュ・ルーツへの深い敬意と、鋭利なポップ・センスの融合にある。メガイベントを成功へ導いた大局的なポップ・ミュージックの構造眼を持つ彼ならではの、音響に対するアプローチは極めて緻密である。

アコースティック・ギターのオーガニックなストロークやフィドル、ハーモニカといった素朴な伝統楽器をアンサンブルの軸に据えながらも、タイトなパワードラムやシャープなシンセサイザーのカットを容赦なく織り交ぜ、現代的で骨太なサウンドメイクをクリエイトしている。さらに、ラジオトーンを施した実験的なヴォーカル処理、没入感を誘うベースラインの反復、意表を突くコード展開やジャンルを超えた楽器のコンビネーションなど、そのアレンジメントには常に卓越した計算と遊び心が共存する。

泥臭いブルースの味わいと、一瞬で聴き手を捉えるキャッチーなフックを装備した独自の音楽性は、時代の潮流に一切左右されることなく、圧倒的な普遍性と、全身を奮い立たせる刺激を放ち続けている。


▼ストリーミング記録



2026.06.現在/as of 2026.06.

01.

★☆☆
In The Pouring Rain 1986
タイトなパワードラム、シャープなギターカットとシンセバッキング。シンプルな2コードのⒶはブルース・スプリングスティーンのハングリーハート<1980>をイメージした

02.

★☆☆
I Cry Too 1986
そっと歌うメロディに優しいストリングスシンセ、このあたりもブルース・スプリングスティーンの表現に近い。サビは見事にポップフィーリングが花開いた感じだ。いいね


03.

★☆☆
Love Or Something 1990
アイルランドのルーツを感じるタイトなアップチューン。コーラスのかぶり方も◎、軽快でいいグルーヴ。

04.

★☆☆
The Chains Of Pain 1990
半音進行の流れにシャッフルのビートが気持ちいい。シンセのリフとサビのコンビネネーション、民族的なフレーズも効果的

05.

★☆☆
Let It Go 1990
ミディアムの一つ捻った感じのリズムが刺激的。3コードのシンプルな流れでうまくクリエイトしている。タイトルワードのフックも◎


06.

★☆☆
A Hole To Fill 1992
アコギのストロークのコンビネーションと分厚いサビでスタート、ディランやトム・ペティの表現スタイルのⒶ、気持ちいいなぁ、アメリカーナなんだな

07.

★☆☆
The Happy Club 1992
ドラム前面のタイトなパワーリズムでスタート、シンセパッドのカットと「ラララ~」ハッピーなフックだ。キャッチーなところをしっかりと装備するソングライティングは実に卒が無い

08.

★☆☆
Down On Me 1992
クランチギターのフレーズのコンビネーションでサイケ幕開けと思いきや、アコギの静かなⒶが始まった。サビでパワードラムがイン、ディープパープルのオルガンのようなフレーズもニヤリとさせられる。

09.

★☆☆
A Sex Thing 1992
ローギアから動き出してじわじわっと来る感じはダイアー・ストレイツのようだ。オルガンとフィドルの民族的なフレーズはここでもいいアクセントだ。隙間のピアノもいい味出してる


10.

★☆☆
Six Million Dollar Loser 2001
ラジオトーンのヴォーカルとベースが主の個性的なバッキングサウンド。さぁどう展開するのだろう、遠くからクランチギターが来て通りすぎた。フラメンコのパルマが入ってきた。繰り返されるベースが頭を支配しているわ。

11.

★☆☆
Mind In Pocket 2001
やや機械的なドラムに、ラジオトーンのヴォイス、ギターカットはキーズ・リチャーズばりにキメてくれる。サイケでタイトなヴォーカルラインはデヴィッド・バーン、あるいはピーター・ガブリエルのようだ。間奏のアレンジも刺激的だ


12.

★☆☆
Blowfish 2011
アンプ出しのハーモニカから、これまたアンプ出しのヴォーカルサウンド、ギターサウンドもカッコよくシンプルな分厚つさはジャックホワイトのようだ。

13.

★☆☆
Systematic 6-Pack 2011
ギターのフレーズとグルーヴィンなベースにドラム、このビートが持ち味のミディアム・ハイなナンバー。このような曲は一見退屈に聴こえるが、アルバムに一曲あるだけでメリハリが効いたアルバムになる。そして没入感を誘うビートはBARに不可欠。

14.

★☆☆
Dazzled By You 2011
アコギのコンビネーションで始まる牧歌的なナンバー。欲しいなぁと思った曲が流れてきた、曲順というのも大切だなと改めて納得。間奏のオルガンも斬新

15.

★☆☆
Blow 2011
波のようなギターの優しいストロークにドリーミーなミドルヴォイスのヴォーカルサウンド。ラジオトーンから真逆の美しさ。シンセアレンジもやはりじっとしていられないんだろうか、考えに考えたんだろうな、私は無くていいと思う。そっと、やさしくで聴いていたい


16.

★☆☆
It Doesn't Matter Now 2011
Guest performance in Nina Hagen
アコギに声ひとつ、歳を重ねたから出る味わい。Ninano存在感に改めて驚いた。スゲー


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