Good Mix

2020年
エド・オブライエン<Radiohead>のリミックスで再確認、グラミー請負人と言っても過言ではない実績と人気を誇る、気になるミキシング・エンジニア Mark "Spike" Stent の活躍を見てみよう。


Shangri-La - Spike StentEdit 2020
EOB

構想から完成まで7年ともいわれていますね、オマー・ハキムやネイザン・イーストなどが参加している。




2007年
1996あたりからマドンナとビョークでグラミーノミネートの常連に名を連ねる。で、いよいよ2007年グラミーでマドンナの「Confessions on a Dance Floor」の Best Dance/Electronic Album賞受賞でその名を世界に一気に知らしめた。


Confessions on a Dance Floor 2005
Madonna

マドンナの一番の持ち味であるダンスナンバーに特化した創りに集中した作品。

70’s,80’s,90’sとそれぞれの時代のダンスミュージックの要素をうまく取り込んでいる。レディオガガ風のイントロ<#8>やクラフトワークぽい<#9>も粋だ。

中でも際立つのMIXをと言えば、#6の「Let It Will Be」とラストナンバーの「Like It or Not」だと感じた。

「Let It Will Be」はイントロからベースが入ってリズムが動き出すあたりでゾクゾク感が半端ない。「Like It or Not」は個々のサウンドの存在感ある分離とヴォーカルのリアルさが凄い。




2009年
二年後の第52回グラミー賞で今度はビヨンセを6部門獲得に導いた。

大ヒットのアルバム「I Am... Sasha Fierce 2008」においての Mark "Spike" Stent の仕事はアルバム16曲中(1.01-05、1.07、2.02–03、2.05–08)と大半を占める。


I Am... Sasha Fierce 2008
Beyonce

ビヨンセの歌声が生々しくリアルにMIXされています。クリアさはマドンナの「Confessions on a Dance Floor」の時よりもさらに際立った感がある。

ヴォーカルの録音には1176AEアニバーサリーエディションでratioを2:1に設定したとあった興味深い記事はこちら⊳SPIKE STENT ON MIXING VOCALS WITH THE UA 1176AE

各楽器の音がリアルに分離されて、ヴォーカルが魅力たっぷりに聴こえてくる、まさにMark "Spike" Stent は王道のミキシングかもしれない。

私個人的にはもう少し、ほんのもう少し上物の楽器、例えばピアノとかハンドクラップやスネアなんかのキラキラ感を抑えたいと思った。






2010年
今度はMuseだ「The Resistance 2009」でビヨンセ旋風の翌年、第53回Grammyにて Best Rock Album賞を勝ち取る。


The Resistance 2009
Muse

Museとして5作目のこのアルバムで大きく変化をすべく、Mark "Spike" Stent のマドンナ、ビヨンセとの大成功のノウハウを必要としたのは素晴らしいチョイスだ。

元々エッジの効いたサウンドが持ち味のバンドだが、それをさらに磨き上げたような仕上げ方はグッドジョブです。#5のスネアの音なんかホント素晴らしい。

全体として、特に#4ではクイーンを強く感じるがそれは仕方のないこと。ギターの音まで似てくるのも仕方のないこと。ブライアンメイもこの件ついては賛辞を贈っていた。




2013年
実はこのことは知らなかった、wikiで順を追って見ているうちにこのアルバムもMark "Spike" Stentの仕事だったと知り驚いた_ 

Frank Ocean「channel ORANGE」BEST URBAN CONTEMPORARY ALBUM受賞。


channel ORANGE 2012
Frank Ocean

わずか1分ちょいの曲だけど、ジョン・メイヤーがジョージ・ベンソン張りにジャジーなギターをゆるーく弾く#12「White」の見事なチル具合には何度聞いてもうっとりしてしまう。

あと特筆すべきはアルバム全体の情熱的だが、やわらかいムードを一貫してサポートするバスドラとベースの一体感は実にウォームでスムース、マドンナやビヨンセ、ミューズの作品ではあまり見せなかった音世界がここにある。




2018年
第60回グラミー賞にてBest Pop Solo Performanceを受賞のエド・シーランのアルバム「 ÷  」


÷ 2017
Ed Sheeran

素朴でシンプルなギタープレイに、邪魔をしないリズムトラック、そしてヴォーカルは今回紹介した作品に共通する自然でリアルなMIX。意外と庶民的なギターサウンドはエドの好みだろうか?





その後もビョークにグウェン・ㇲティファニー、アーケド・ファイアー、ピンク、グリーン・デイ、レディー・ガガ、ブルース・スプリングスティーン、テイラー・スイフト、フローレンスアンドザマシーンと引く手あまたの活躍を見せている。今後も注目に値する存在には違いない

good mix 世界最前線のミキシング マスター「Mark "Spike" Stent」





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